ニュースレター 2016年 夏号

こんにちは。

安藤歯科の遠藤です。

最近は湿度も高くてジメジメする日が続いていますね。

季節の変わりめで歯肉がうずくという声も聞きます。

皆さんは大丈夫ですか?話は変わりますが先日私の友人が歯石取を歯医者さんでしてもらい、その後痛くて歯ブラシがあてられなくて自発痛もあるし心配で・・・と連絡がきました。

彼女には痛いところは無理に歯ブラシはせずに、かかりつけの歯医者さんに直接見てもらい相談したほうが良いと伝えましたが、中々歯医者さんに相談しにくいようでした。

皆さんも同じ経験はありますか?痛いのは辛いですよね。

今回は歯医者さんで行う歯石取りの情報・歯石を取る意味を載せたいと思います。

宜しければ参考にしてくださいね。

1.歯石とは

皆さんは歯石が何かご存知でしょうか?歯石とは歯の周りについている石のようなものです。

診療で私は軽石に例えてお話ししています。

歯石は軽石のように凹凸がありますので、その凹凸に細菌がすみつきます。

歯石はただの石ではなく、そのままにしておけば歯が歯周病で抜けてしまう場合もあるのです。

歯石は歯周病の原因である細菌の住みかとなります。

歯石はプラーク=細菌の塊=歯垢が唾液の中のカルシウムやリンなどのミネラル成分と結びついて石のように固くなったものを歯石と言います。

歯石はなぜ取らないといけないのか

歯石自体は石なので悪いものではありません。

歯石は軽石のように小さな穴があり、細菌がそこを住みかにし、繁殖し、毒素を出します。

その毒素が歯茎の腫れや、歯を支えている骨を溶かす歯周病の原因になります。

歯石の中の細菌は歯磨きなどでは取りきれないので、歯石ごと細菌を取る必要があります。

また、歯周病は細菌による感染病で、細菌が全身に悪影響を及ぼすと言われております。

糖尿病、心臓病、脳卒中、慢性腎疾患、肺炎、骨粗しょう症、癌および早産などの合併症を伴うことがあります。

そのため歯周病を改善することはとても重要なことです。

プラークが歯石になる理由

歯は食事をする度に表面のミネラル成分であるカルシウムやリンが溶け出して(脱灰)しまいますが、唾液の中にあるミネラル成分によって元に戻ります(再石灰化)。

このように唾液の中には歯が虫歯にならないように、大量のミネラル成分が含まれています。

プラークが残っていると約48時間で歯石になってしまうのです。

歯石はいつ取ればいいのか

3ヶ月~4ヶ月に1度の定期検診時に歯石を取ります。

自宅での歯磨きが良くされていて、短い期間で定期的に歯石を取っている方は、歯石の量が少ないため、1回で全ての歯石を取ることができます。

プラークも少なく、歯茎からの出血も少ないため、歯石も柔らかく、直ぐに取ることができます。

虫歯の治療の時は歯茎の出血を止めてから歯石は取る

出血を止めるには、炎症の原因である、細菌=歯垢を歯磨きで取り除きます。

歯石はプラーク、唾液、血液からできています。

歯茎が腫れて、出血がある状態では原因のプラークと血液が残ったままなので、取ったとしても48時間後にはまたついてしまい意味がありません。

歯茎から出血があると痛みが出やすい

歯茎から出血があると歯石が血液に隠れ、取り残しが増えます。

痛みや、しみる等の知覚過敏も出やすくなります。

歯茎から出血を止める歯の磨き方を教わり実行してから、約2週間して歯茎からの出血が止まり、引き締まってから歯石を取った方が、痛みが少なくてすみます。

2.歯石除去の方法

歯の表面に付いた柔らかい歯石を取る歯石除去(スケーリング)

歯石除去は超音波の振動を与えながら歯石を粉砕して除去して行きます。

特に比較的できたばかりの柔らかい歯石は比較的簡単に取れます。

歯石はどんなに歯を磨いていても徐々に形成されていき、誰にでもできてしまうものなので、特に問題がなくても定期的に歯科医院を受診して除去してもらう必要があります。

歯茎の中の硬い歯石を取る歯石除去(ディープスケーリング)

血液を含む歯茎の中にできてしまった黒く硬い歯石は、歯にこびり付いています。

歯と歯茎の隙間の歯周ポケット内の歯石は歯周病の原因となるものです。

超音波の振動や歯石を取る細い器具を使って取って行きます。

この時、歯茎が腫れて、出血があると取り残しが増えるため、出血が無い歯茎の状態にしてから、歯石を取る必要があります。

歯周病ポケットの深さは4mmまではこのディープスケーリングで対応します。

それ以上になると器具が届かないため、外科的な処置が必要になることもあります。

歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ・フラップ手術)

5mm以上の歯周ポケットの中の歯石を取るために、麻酔をし歯茎を開いて歯石が見える状態にして取り除いていく方法です。

歯の根は複雑な形をしており、5mm以上の歯周ポケット内の歯石を取り残さないために行います。

また、同時に歯茎の中の骨の形を整えることによって歯周ポケットを浅くする方法も行います。

3.歯石除去は柔らかい歯石と硬い歯石で回数が違う

歯茎の上の柔らかい歯石除去は1回で取れる歯茎の上に出ている歯石で少し黄色で、プラークと唾液によって作られたものです。

比較的簡単に取ることができ、歯磨きやデンタルフロスが上手で、3ヶ月から6ヶ月に一度定期的に歯石除去をされている方は1度で全て取ることができます。

保険診療で3割負担の方の場合、金額は3,000円前後です。

歯茎の中の硬い歯石除去は3~6回かかる

歯茎の中にある歯石でプラーク、唾液に加え血液によって作られたものです。

歯石の中に血小板など血液を固める成分が凝縮されるため、硬く歯にこびりつき、赤黒い色をしています。

歯に強くこびりついていて、取るのに時間がかかります。

磨き残しが多く、デンタルフロスの使用がなく、歯茎から出血している方はこの歯石が多く、歯石を取るのに3?6回かかります。

金額は保険診療で3割負担の方の場合、1回の処置が2,000円~3,000円程度です。

4.歯石除去後に起こること

知覚過敏で歯がしみる

歯茎の中の歯石除去や、フラップ手術をすると急に歯茎が引き締まり歯がしみるようになります。

これは歯に歯石が付いていたことによって歯周病が進行し、歯の周りの骨が溶けてしまったことが原因です。

歯石を取る前は歯石や汚れで根の周りが覆われていましたが、歯石を取ることによってお口の中に直接、歯の根の部分が露出してしまうため、知覚過敏になります。

対策・・・知覚過敏を起こした歯にはプラークを付けないように丁寧に歯を磨くと唾液中のミネラルが歯の表面を固くしていきます。

また、フッ素塗布や知覚過敏用の歯磨き粉を使うと早くシミが止まります。

どうしてもシミて、痛みが続く場合は神経を取る処置をすることもあります。

引き締まって歯茎が下がる

深い場所にある歯石を取ると歯茎が引き締まり、下がったように見えます。

歯石によって歯の周りの歯茎が腫れたり、骨の周りの骨が溶けてしまっていたので、歯石を取ることによって腫れていた歯茎が引き締まり、歯茎が下がります。

対策・・・この状態が現在の正常な状態です。

この状態を維持するように今後は歯石を溜めないようにします。

また、極端に歯茎が下がってしまった部分が気になるようであれば歯茎を移植する方法もあります。

重度の歯周病の方は歯が揺れる

歯周病が重度の方は歯石を取ると歯が揺れてくることがあります。

これは歯に歯石が大量につくことによって、歯石で歯がつながっていたため、歯石を取ることによって一時的に歯周ポケットが開いてしまうことで起こります。

対策・・・よく磨くことで揺れが多少治まります。

2週間ほど経っても揺れが止まらないようであれば、歯科用の接着剤で固定します。

また、被せものを繋げることによって揺れを止める場合もあります。

5.歯石の付きやすい場所

下の歯の前歯の裏

下の歯の前歯の裏には舌下腺という唾液を作る器官の出口があります。

前歯の裏にプラークがあると唾液の成分で直ぐに歯石になってしまうので、歯石が付きやすくなります。

その代わりその成分のおかげで歯が溶けても、直ぐに石灰化するので、虫歯にはなりにくい場所です。

上の歯の奥歯の頬側

上の歯の奥歯の頬側には耳下腺という唾液を作る器官の出口があります。

そこにプラークが残ると直ぐに唾液の成分で歯石になってしまいます。

出血がある歯周ポケットの中

歯石の成分の一つは血液です。

歯茎から出血がある方や、歯周ポケット内に出血がある方は血液と唾液とプラークが結びついて歯石になります。

この歯石は特に歯周病を悪化させる細菌の住みかを作ります。

噛んでいない歯の表面

歯は噛むことや食べ物が擦れることによって、汚れやプラークが落ちる部分もあります。

噛む相手がいない歯や機能してない歯は、歯の表面に歯石が付きやすくなります。

6.歯石の予防

毎日プラークをしっかり落とす

歯石は唾液、プラーク、血液から出来ています。

唾液は体や歯に取って欠かせないものです。

しかし、プラークは歯磨きとデンタルフロスを正しい使い方で行えば防ぐことができます。

プラークは24時間で作られ、48時間で歯石になります。

毎日プラークを残さないブラッシングをマスターすることが歯石予防の方法です。

出血のない歯茎を保つ

歯周病で歯茎や歯周ポケット内に出血があるとそれが歯石になっていきます。

歯周ポケット内の出血は自分では気づきにくいもので、この出血が歯周病菌の活発度合いも示しています。

出血のない健康的な歯茎を維持することで、歯石を予防できます。

歯の表面をツルツルにする

歯の表面に傷があったり、ざらざらしていると歯石が付きやすくなります。

研磨剤の粒が大きな歯磨き粉など使うと歯石が付きやすくなります。

お勧めの商品は美白用歯磨き粉のライオンブリリアント・モアなど、歯の表面をツルツルさせる効果のものが有効です。

また、歯医者で歯石除去後にPMTC(60分10800円)を行い歯の表面の傷を修復させると歯石が付きにくくなります。

きれいな歯並びは歯石も防ぐ

歯石が付きやすい下顎の前歯は、歯並びが悪くなりやすい場所でもあります。

歯周病になると歯が動き、特にこの部分は歯が重なり合う場所でもあります。

できることなら部分矯正で前歯の歯並びを治すことで歯石が付きにくくなります。

7.歯石は口臭の原因となる

歯石は細菌の住みかになっていて、歯周病の原因にもつながります。

歯周病になると歯茎の腫れ、出血、口臭などが起こります。

特に歯茎の中の歯石は歯周病を悪化させ、強い口臭を引き起こします。

まずは、歯石をしっかり取り、その後は再度つかないように定期的に除去して歯周病を予防していく必要があります。

まとめ

歯石は誰にでもついてしまうものです。

そしてそれが歯周病の始まりでもあります。

歯石を定期的に取り、歯磨きとフロスを毎日行うことで、生涯ご自身の歯で美味しくお食事していただきたいと思っております。

3ヶ月~4ヶ月ごとに歯医者さんでご自身の経過を見てもらい、できない箇所はかかりつけの歯医者さんで見てもらいましょう。


☆最後までお読みいただきありがとうございます。

今後とも宜しくお願い致します☆安藤歯科クリニック

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