魚谷雅彦氏04

第4回 魚谷雅彦氏

リーダーはビジョンを打ち出して、その方向性を示すことが大事、しかし一方で自分1人では何もできないということを悟ることも極めて大事だと思う。
そうすると志を一つにしてやってくれるスタッフ、それからその先にいる人、だんだんと志の輪が広がっていくと思う。志をどこまで伝えられ、心底共感を得られるかが大事だと思います。歯科医院経営でも同じだと思う。

魚谷雅彦

内部の意志統一と価値観の共有が顧客から選ばれる条件 魚谷

安藤私は歯科医師ですけれど、他業界の経営者に友人、知人が多いのですが、成功している経営者を見ていますと、秀才型の頭のいい人の方が、僕から見て割と苦労しています。どっちかというと、凡人のほうが、凡事徹底じゃないですけど、こつこつ、こつこつ、ウサギと亀みたいなもので、凡人でも偉大なる凡人になるのですよね。それは、人の声を聞くことができるからでしょう。
魚谷なるほど。
安藤私はそのような経営者を見てきて、歯科医院を作るとき心がけたことがあります。魚谷さんは当院のことを、トリートメントに入るまでがすごくストレスがない医院とほめてくださいました。これは私の思いやビジョンをスタッフに伝えるには、どのような医院設計にするべきかから入った結果だと思っています。具体的には、スタッフに私の思いを伝え、またスタッフの声を聞くことができる場所を、診療スペースと同等に価値を置いて設計しました。その結果、約70坪の診療室の30坪が、コミュニケーションと患者さんの診療データスペースになってしまいました。多くの患者さんは、約30坪のスペースを知らないのですが、このスペースがスタッフ育成と患者さんの満足を生み出していると自負しています。
魚谷安藤先生のような設計の医院は都市部では珍しいでしょう。
安藤都心部の平均的な歯科医院は、約30坪弱で診療スペース以外のスペースは、その10%程度ではないでしょうか。これでは、コミュニケーションや診療データベースを満足に管理することはできません。私は、削って詰めて被せて終わりというデンタルラボは作りたくなかったのです。きちっと患者さんとのコミュニケーションがとれて最高の医療サービスを提供するデンタルオフィスを目指しました。日本の歯科医院は、まだラボラトリーなのです。詰めたり被せたりする生産性を重視したスペースを大きくした、歯科工場のようなところが多いように思います。それでは、満足なスタッフ教育もできませんから、患者さんには満足を感じてもらえるわけがないと思います。
魚谷そうですよね。それは企業も同じだと思いますよ。結局は、僕はよく言うのですけれど、究極的には私たちはお客さまがわれわれの商品を買ってくださって、それも継続的に買ってくださる百何十円かの積み重ねが年間のビジネスになるわけですね。そのおかげで会社が成り立っている。ということは、お客様にこの商品がいいと決めていただいたり、われわれが伝えたいと思っていることが伝わったりするためには、内部でちゃんと意思統一ができてなかったり、価値観が共有できてなかったり、お客様にこう提供したいと思っているようなことが、ちゃんとコミュニケーションして理解し合っていなければ、絶対できませんよね。

まして、私の会社は、それにプラス楽しみというのをすごく大きな要素としているんですね。ファン・アンド・エキサイトメントという英語を使っているんですけれどね。お客様に、単なる飲み物だけど、世界中で売っているこの商品というのは、何か、自分たちが友だちと一緒に、気分が盛り上がる、高揚感のある時とか、何かプラスアルファのもう1つのバリューみたいなものを、価値みたいなものを、飲み物にくっつけて、精神的なものや情緒的なものを伝えたい。そういうことはほんとに、社員がみんなうつむきかげんで仕事をしているような企業では、「お客さんに喜んでもらってスカッと飲んでもらおう」ってテレビのコマーシャルだけで言っても、そんなことは虚像にしかなりませんからね。

やっぱり内部でそういうことのための、例えば、私らの会社の環境、社内の、例えばピープルデーという名前で社員の議論するような場だとか、僕らの方針の話をし、それに対してみんなが自由に意見を言える会だとか、社員の意見を吸い上げる機会が必要です。例えばちょっとエンターテイメント性のあることもやったりして、昨日も実は集まりがあって、水泳の北島康介さんが来てくださったんですけどね。北島さんは、日本コカ・コーラに所属していますから。すると社員は、ものすごく何か自分たちのプライドを感じてくれるじゃないですか。「彼をサポートしたのは私たちだ」っていう。北島さんが「オリンピックで2回金メダルを取れた、コカ・コーラさんに所属して、皆さんがサポートしてくれたおかげです」とか言ってくれると、自分たちが仕事をしていることの意義みたいなことを強く感じてくれるのです。1つの例ですけどね。

そうやって、ほんとに社員の、スタッフ間のビジョンの理解とか、それはものすごく僕らもエネルギーと、ある意味では投資をしています。今、安藤先生が言われた、医院の設計1つにしてもそうだと思いますけど、すごく勉強会やスタッフ間の意識の共有に時間を使っていらっしゃることは、僕はすごく共感できます。
安藤魚谷さんを見ていて、僕はとてもバランスのとれた人、友人の中では、本当にピカイチですよ。社員の内部に顧客を大切にするっていう発想ってどこから来るかというと、家族を大切にしているところから来ると思います。
まさにさっき魚谷さんが言われた、社員とのコミュニケーションの機会を設けることの大切さです。
安定感のある人っていうのは、家族を大切にする。家族を大切にするってことは、社員も内部顧客みたいな感じで大切にする、その先にお客さんがあって、こういう思いは健全といいますか、本来そうあるべきですよね。一番身近な人を、そういう人は自分も大事にしているし、家族も大事にしているし、社員も大事にしているし、そうするとその先のお客さんも大事にしています。決して売るのが先ではないのですよね。

第4回 魚谷雅彦氏

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患者様

歯科界

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ソプラノ歌手

田渕 久美子

NHK大河ドラマ
「篤姫」「江 姫たちの戦国」脚本家

魚谷 雅彦

株式会社 資生堂 代表取締役

望月 俊孝

宝地図ナビゲーター
レイキティーチャー

中原 英臣先生

新渡戸文化短期大学
学長/医学博士

明田 征洋

カルビーポテト株式会社
前代表取締役 会長

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